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3.典礼的挨拶

  • 7月26日
  • 読了時間: 2分

更新日:7月26日


 ミサなど典礼における挨拶、「主はみなさんとともに」 は、単なる挨拶や儀礼的な形式ではなく、聖書の中で神が選ばれた人々に向けて語られた、使命と同伴の約束の言葉です。

アブラハム、イサク、ヤコブ、モーセなどの義人たちは、重大な使命を前に 「主はあなたとともにいる」 という励ましを受けました。彼らはいずれも自分の力ではなく、神がともにおられることへの信頼によって、その困難を乗り越えました。特にモーセは、自らの能力の限界を感じながらも、「わたしはあなたとともにいる」 という神の言葉に支えられ、神の力が自らの弱さを補うことを体験したのです。同様に、私たちもそれぞれの生活の中で、家庭や職場、信仰生活において神から託された使命を担っています。時にその重さに圧倒され、無力さを感じることがあるでしょう。しかし典礼の冒頭で司祭が宣言する 「主はみなさんとともに」 という言葉は、まさにそのような私たちに向けられた神の励ましであり、どんな状況でも神がともにいてくださるという確信を新たにするものなのです。

 この挨拶によって、私たちはモーセと同じように、神の助けに信頼し、神の力が自らの弱さを補い助けることを思い起こすのです。また、「主はみなさんとともに」 に代わって用いられる 「私たちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和がみなさんとともに」 という挨拶はパウロの書簡に由来し、私たちの教会が使徒たちから連綿と続く共同体であることを思い起こさせます。

司祭がこの言葉を用いるとき、私たちはパウロ以来の信仰の継承に連なり、すべての聖人と交わりの中にあることを意識できます。

 さらに、信者の応答 「またあなたとともに」 は、ラテン語原文の 「Et cum spiritu tuo(またあなたの霊とともに)」に由来し、単なる形式的な返礼ではありません。それはヘブライ語で 「あなた自身」 という意味を持つ表現だったのですが、新約を経て初代教会以後、すでに司祭が叙階によって授けられた聖霊の力によってキリストを代表して奉仕していることを認める信仰告白となりました。真の司祭はキリストご自身であり、司祭はその代理者として聖霊の働きのうちに奉仕します。「あなたの霊とともに」 という表現は、まさにその霊的現実を言い表しています。典礼の言葉に込められた神学的意味を理解し、これを単なる決まり文句としてではなく、神とその教会と自分とが交わる瞬間であることを心に刻むとよいでしょう。

 
 
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