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2025年4・5月号 巻頭言

4・5月号 巻頭言

 

  『  シノドス的小教区づくりを目指して 』

 

                 主任司祭 使徒ヨハネ 田中 昇

 

「シノドス的教会」 を目指すという話そのものは多くの信者さんも耳にしてきたことかと思います。しかし具体的、現実的に何をどうしていくか?という実行性について何も明確ではなく、お題目のようなシノドスも意識が薄れていく頃ではないかと感じています。

 

しかし、そもそも教会共同体の本性は、シノドス的、つまり「協働、共同、協同的」なものです。そのため教会の営みは、共にみことばを聞き、使徒の教えを深め、祈り、祈ったことを相互の援助、愛による正しい生き方へと反映させていくダイナミックなものです。それは、典礼、奉仕、相互の交わり、一致において実現され、結果として信仰の証しとなっていきます。そして真の教会の信仰の営みは、さらに周辺の地域、社会、家庭へと広げられるはずです。ただ、そのためには先ほどの要素の一つだけに偏ることも、またどの要素が欠けても教会はその秩序が正しく保てず、共同体の勢いは弱まってしまうでしょう。現代社会において、教会の力を減衰させる世の力は非常に強いため、より信仰を固めて悪に打ち勝つ気構えが必要となっています。

 

今年、聖なる年に復活祭を祝うにあたり、私たちの共同体において、自分にとってシノドス的な感覚を阻害するものは何だろうかと問おうではありませんか。心から復活祭を祝えていないのだとしたら、それは「復活の主」と出会えていないのです。心から共に復活の主を賛美し感謝を捧げられなければ私たちはキリスト者たり得ません。主に出会ったのなら、個人主義的な態度で済むものではなく、共に「主の御心」を実現する共同体との交わりを生きることへと招かれます。これが神の民、神の家族と聖書が言うところの教会です。それがシノドス的な教会です。この歩みに加わらなければ、遠くから自分のコンフォートゾーンから眺めているだけでは、外側で愚痴を言っているだけでは、もはや真のキリストの共同体の一因ではなく、部外者と同じ立場になってしまいます。

この恵みの年に、私たちも「全参加型の信仰共同体づくり」を目指して、必要な回心の恵み、主との出会いの恵みを祈り求めようではありませんか。

 

 豊島教会に所属するすべての兄弟姉妹、いまは教会の交わりから遠ざかってしまっている仲間も、このキリストからの招きを受けています。真っ当な宣教ができる、真っ当な共同体に、共に成長していこうではありませんか。

この招きに応えるかどうかは、皆さん一人一人に、かかっています。

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